残像時代 中村靖日_blog

weblog by yasuhi nakamura

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

【公演終了 感謝】tsumazuki no ishi『犬目線/握り締めて』

DSC01089_psd.jpg

無事に 全公演を終了致しました。
ご来場いただいた皆様 ほんとうに ありがとうございました…!
 
 
立派なお花や、美味しい差入れや、心のこもったお手紙を、
たくさん頂きました。ありがとうございました…!
 
 
非常に重いテーマの芝居だった。
 
ぼくが演じた "桃原硬太郎" は
奇異な性的嗜好を持つ、罪深い、混乱した男だった。
ぼくとは まったく似ていない、重なる部分のまるで無い男だった。
だから却って客観的に 冷静に ぼくは桃原という男をみつめてきた。
他の登場人物達に比べて桃原は、意味や属性を より多く背負わされた人格なので
このいかにも物語的な男が その物語性へと傾斜し過ぎないよう注意しつつ
演じる上では リアルとデフォルメの境界線上を狙った。
 
アドリブは基本的に一切 無い。それは稽古も本番も変わらない。
セリフの語尾も なるべく台本へ書かれている通りに読む。
ただ、完成稿はそのまま上演しようとすれば4時間程度もかかるほど長大だったため
演出家の規準と判断で、稽古中に台本は少しずつ、最終的には大量にカットされた。
ぼくから演出家へ、どこをカットする/しない といった意見は一切しなかった。
この作品 この劇団とってに必要、不必要なものは演出家が判断することだと ゆだねた。
けれど説明的なセリフや描写が削られたことで逆に、桃原の輪郭は より明確となった。
上演時間は2時間で というのが大前提だったが、最終的な判断は劇団にゆだねた。
 
桃原は ぼくとまったく異なる人間なので、台本を読んで 初めは「わからない」と感じた。
そしてこの「わからない」という感触を 最後まで維持しようと、ぼくは直感的にとらえた。
桃原は、自分自身のことが「わからなく」なっている人間だ。
まわりの人々に 彼は繰り返し問いかける。「やっぱり ぼくは おかしいですか」と。
桃原の苦しみ、狂気、切なさを、苦しく 狂気じみて 切ない気持ちで演じるのでなく、
「わからない」という なまなましい混乱を 精神の礎に置いて、そこに留まり在ろうとした。
 
けれども俳優は卑しいもので、この「わからない」という違和感や嫌悪感をぬぐい去らず
それらを携えたまま、次第に役柄を愛するようになってゆく。
桃原の苦しみ、狂気、切なさ、許されたい 救われたい 愛したい 愛されたい という想いを、
どうか 他者に理解して欲しいと願うようになる。その渇望はさらに 演技へ還元されてゆく。
 
登場人物たちが 俳優の肉体を得て、場に交錯し、さらに美術 照明 音響が加わることで
台本から抱いた印象からは まったく異なる風景、まったく異なる感触が 現出していった。
残念ながら、ぼくはこの作品を客席から観ることは一度も許されないわけで
その全貌が果たしてどのようなものだったかは「わからない」。
けれど あの場所に立ちながら、"猫ヶ洞荘" 1階エントランスから外へと どこまでも広がる
あの世界の風景の続きを なまなましく感じる瞬間が 確かにあった。
 
以上、"桃原目線" で短く総括したが、
実際のところ必ずしも ここまで理屈でとらえていたわけではない。
ぼく自身は どちらかと言えば理論家肌ではなく、直感的 感情的な人間なので。
それでも伝えるために一応 言葉で整序しておくこととした。
 
観客の皆様からいただいた感想は、おおむね好感触だった。
けれど 感想を残してくださるのは大抵、好意的な観客なのだ。何事にも賛否はあって当然。
 
映画、CM、テレビ等の仕事で ぼくがお世話になってきた関係者も大勢 観にいらした。
桃原役はかなり好評で、たくさんの賛辞やダメ出しをいただいた。
今まで演ったことない役柄を演った。これを契機に今後、様々な広がりをみせてゆくだろう。
 
もちろん、機会があれば舞台も是非やりたい。ぼくからもアプローチをかけてゆければと思う。
それはまた これからの話。
 
ご来場いただいた観客の皆様へ感謝。スタッフ、キャスト、関係者の皆さんお疲れ様でした。
 
あなたは そこにいた。ぼくは そこにいた。ありがとう。
 
 
 
 
*
 
DSC01082_psd.jpg
■2007/07/18(水) 10:05:35
初日前夜。場当たりを終えてスズナリを出ると、夜風が夜風が心地よくて。
 
*
 
【舞台出演】tsumazuki no ishi『犬目線/握り締めて』
 
 2007/07/12(木) 05:31:41
 2007/06/04(月) 21:31:15
 2007/05/10(木) 07:43:27
inuinus_psd.jpg
劇団 tsumazuki no ishi の公演『犬目線/握り締めて』に客演しました。
 
日程:2007年7月19日(木)~7月23日(月)
会場:下北沢 ザ・スズナリ
詳細・お問い合わせ:tsumazuki no ishi
 
『犬目線/握り締めて』
作:スエヒロケイスケ 演出:寺十吾
出演:原千晶(ワタナベエンターテインメント)
寺十吾 釈八子 宇鉄菊三 猫田直
日暮玩具 杏屋心檬 松原正隆 太田晶子
鈴木雄一郎 岡野正一 松嶋亮太 中野麻衣
蒲公仁(個人企画集団*ガマ発動期)
中村靖日
 
DSC00932_2_psd.jpg

 
 
  1. 2007/07/30(月) 09:34:59|
  2. 『犬目線/握り締めて』
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。