去る8月23日、
"映画の天才"第2回試写会にて話題のヴァイオレンス・ムーヴィー『
シン・シティ』を観ました。内田けんじ監督はまぎれもなく"映画の天才"ですが、不肖中村は"映画の青二才"といったところで…。ご招待いただきありがとうございましたっ。
『
シン・シティ』
監督:ロバート・ロドリゲス&フランク・ミラー
特別監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ブルース・ウィリス ジェシカ・アルバ
ミッキー・ローク クライヴ・オーウェン
ベニチオ・デル・トロ ブリタニー・マーフィ
イライジャ・ウッド ロザリオ・ドーソン
デヴォン青木 ジョシュ・ハートネット ほか
箇条書きで感想を。チラシに載ってる内容程度のネタバレあり。
■散りばめられたノワール要素…雨、女、血、銃。個人的に石井隆ファンなので、劇画作家であるフランク・ミラーの映像演出に興味があった。自在に暴れ回る映像の連続…みたいのを想像していたら、意外にもスタティックかつ真正面に人物をとらえるショットが多用される。やや物足りなさを感じる瞬間はあったが、逆にその"静"は原作コミックの紙面を感じさせる濃密さもあり。だからこそ「ここぞ!」という要所で暴走するグラフィカルな映像演出が際立つのか。
■もし続編が製作されるなら「魔性の女に巻き込まれてしまい、うっかりトラブル、騙し騙され」なハードボイルドの定石プロットをこの映像、世界観で観てみたい。
■1920~30年代ドイツ表現主義以降の映画のような「影を用いる演出」とCGの共存…ラース・フォン・トリアー監督『ヨーロッパ』あたりにも通じるグラフィカルな演出と画面のトーン。
■たった一晩を過ごした惚れた女のために、悪へ突進していくマーヴがハードボイルド。個人的には最もグッときたキャラ。演じているのがミッキー・ロークだとはしばらく気づかなかった。登場して15分くらい経ってから「あれっ?」と。特殊メイクで原作コミックに似すぎて別人。
■眼鏡の変態ケヴィンを怪演するイライジャ・ウッド。おいし過ぎるキャラ。「あんな状態」になっても瞠目とは…わははは!ぼくはシン・シティの登場人物にはなれないだろうけど、可能性を探るなら恐らくケヴィン的なる者でしょうかね。
■ジェシカ・アルバ。ブロンドのストレートヘアに浅黒い肌のコントラストが、モノクロに映えて超セクシー。唇、まなざし、腰つき…あわわわ。
■あわわわ…。って、しつこいぞ。そのくらいセクシーです。
■ベニチオ・デル・トロ。浸かります。刺さります。笑えます。
■チョイ役で登場のルトガー・ハウアー。あの声で伏し目がちにつぶやかれると悪人なのか善人なのか、超然としたさまと哀れさが。『ブレードランナー』を子供の頃から繰り返し観てるからスリ込みが…。
■デヴォン青木演じるミホ。本作で最もアクション度数の高いキャラかも知れない。彼女が人を殺める身体の流れ、武器の刀や手裏剣の軌道…その美しさと残忍さ。『KILL BILL』のユマ・サーマン、ルーシー・リュウを凌駕する存在感とアクションの冴えたアイデア。
- 2005/09/08(木) 03:16:35|
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